シンガポールへの長期滞在が決まったら、
まず始めなければいけないのが、住宅探し。

特に、新規に法人を立ち上げたり、教育やその他の理由で移住される場合、
日本の本社がアレンジしてくれる、駐在員の方の場合と異なり、
何から何まで、ご自身で手配しなければなりません。

また、海外で家を借りるとなると、
日本とは異なる、様々な問題にも直面します。

そんな時に慌てないために、このページでは
シンガポールの

住宅の種類」「賃貸物件の探し方」
そして、
「賃貸の際、気をつけなければいけない事」
ご紹介致します。

シンガポールで法人設立をご計画中ですか?

現地にて、経営者のためのシンガポール法人設立・節税移住をトータルでサポートします。
現在抱えている悩みや疑問を、専門家に質問してみませんか?

シンガポールの賃貸住宅の特徴

日本の賃貸と比べ、大きく異なる点

予め日本とは異なる、シンガポールの賃貸事情を知っておくことで、
物件を探す際に、どんなことに注意すべきかがはっきりしたり、
契約の際にも、戸惑うことが少なくなります。

物件の貸主は、殆どが個人オーナー

日本で賃貸住宅といえば、アパートやマンション一棟を法人が所有し、
各戸を賃貸に出している場合が一般的です。

また、たとえ物件の所有者は、個人であっても、
管理は、専門の管理会社に委託している場合が
多いのではないでしょうか?

シンガポールの賃貸物件の場合、日本とは違い、
各戸ごとにオーナーが異なるものがほとんどです。

中には日本のように、一棟すべてが法人所有の物件もありますが、
それらの物件数は、数が限られています。

基本的には、物件の管理は個人オーナーが直接、
あるいは賃貸の際に依頼したエージェントが中間に立つことが
ほとんどです。

そのため、物件内で発生した修理に対する対応も、
各戸で異なります。

同じ建物の中の同じ間取りの物件でも、
オーナーによって、
家賃が、大幅に異なる場合もあります。

これは、それぞれの物件の所有者が、
自由に物件の値付けをしているからです。

また、オーナーの中には海外に在住している、
外国人の場合も少なくありません。

そのような物件は、不具合が起こった際に、
対処が遅れるなどの問題があります。

物件を借りる場合は、
オーナーのバック・グランドのチェックも忘れずに行いましょう!

物件の借り手は、殆どが外国人

外国人が多くなって来たとはいえ、
賃貸物件の借り主の多くが、日本人という日本の状況とは異なり、
シンガポールでは、賃貸物件の借り手の殆どが外国人です。

シンガポールの賃貸物件で、最も一般的なコンドミニアムの賃貸では、
借り主は、各国の本社から派遣された駐在員が中心です。

そのため、契約書も外国の企業向けに用意されているものがほとんどです。

日本と大きく異なる契約書の内容としては、
賃貸契約の2年縛りがあげられます。

転勤や会社がシンガポールから撤退する場合などを除き、
自己都合で、契約を打ち切ることはできません。

家が気に入らないからと言って、
簡単に引っ越すことはできないのです。

賃貸契約を結ぶ際には、契約書のチェックは入念に行いましょう!

コンドミニアムの設備が豪華

日本では、一部の高級物件に限られている、
プールやジムの施設ですが、
シンガポールのコンドミニアムには、
必ず付帯しています。

築年数が古いもので、大規模な物件になると、
敷地内にテニスコートやミニマートがある物件も…

また、住宅地にあるコンドミニアムでは、
通常、一戸に付き一台分の駐車場スペースが無料で確保されています。

家具が予め設置されている物件が多い

ある程度の高級物件になると、
家具が設置されていない物件が多いのですが、
中級(30万円から50万円/月)程度の物件の殆どは、
予め家具が備え付けられています。

これは、日系企業が会社契約として借り上げる際、
家賃補助の中に、家具代を含んでいる場合がほとんどだからです。

欧米企業のエグゼクティブの場合は、
家具代は別途予算として、会社から与えられる場合が多いので、
このクラスの人たちが借りる物件には、家具は設置されていません。

物件の価格帯によって、
家具付きか家具無しかに分かれるのです。

ただし、洗濯機や冷蔵庫、カーテンなどは、
どの価格帯の物件にも、予め設置されている場合がほとんどです。

家具付きの場合は、家賃が割高になる場合が多いので、
個人で家賃を負担する場合は、
家具無し物件を選んだほうがお得です。

備え付けの家具は無く、
洗濯機や冷蔵庫、カーテンのみがある物件は
パーシャル・ファーニッシュ。

ベッドやリビングセットなどの家具が予め
備え付けられている物件は
フーリー・ファーニッシュと呼ばれています。

シンガポールの住宅の種類

シンガポールの住宅の種類は、
戸建て
民間集合住宅
政府系集合住宅
の3つに大別することができます。

上記以外にも、外国人の滞在用としては、
サービス・アパートメントという選択肢もあります。

各物件の特徴を、簡単に見てきましょう。

戸建て住宅

戸建住宅は更に、
バンガロー、デタッチド・ハウス、セミデタッチド・ハウス、テラス・ハウス
などに分類されます。

欧米からの駐在員には、広い庭のあるバンガローも人気があります。

高級物件の多い、バンガローやデタッチド・ハウスですが、
郊外のデタッチド・ハウスやテラス・ハウスなどの中には、
比較的安い物件もあります。

価格の目安

バンガロー&デタッチド・ハウス:
平屋の比較的敷地面積の広い物件をバンガロー、
そして日本の土地付き一戸建てに当たる物件を、
デタッチド・ハウスと呼んでいます。

ブラック&ホワイトと呼ばれる、
植民地時代からのコンサーベーション・バンガローは70万円(月額)前後。
その他のバンガローは立地や広さによって、価格が大きく異なります。

外国人に人気のあるセントーサー島のデタッチド・ハウスの家賃は、
1300平米(6LDK)で200万円(月額)前後です。
セミデタッチド・ハウス:
2軒の家が、片側一つの壁を共有しているタイプの一戸建てです。

日本では、ほとんど見られないタイプの物件ですが、
シンガポールやお隣のマレーシアでは、よく見かける物件です。

バンガローやデタッチド・ハウス同様に、
立地等で価格は大幅に変わります。

セントーサー島の、セミデタッチド・ハウスは
800平米ぐらいで、価格は130万円(月額)前後が中心です。

 

テラス・ハウス:
長屋タイプの土地付き住宅。
高級タイプから、古い物件を単身の賃貸用に改築した物件など様々です。

賃貸用の物件数は、バンガローやデタッチド・ハウスに比べて少ないです。
郊外の物件で、200平米ぐらいの物件が40万円ぐらいからあります。

民間集合住宅

民間住宅は、プールやジムなどの付帯設備のあるコンドミニアムと呼ばれる、
高級集合住宅と、設備の無い、アパートメントに分類されます。

日本人や欧米の駐在員が、一番多く住んでいるのは、
設備が整い、セキュリティーがしっかりしている、コンドミニアムです。

郊外のコンドミニアムほど
シンガポール人の住居比率が高いようです。

コンドミニアムは、海外からの投資物件の対象ともなっており、
外国人のオーナーの比率が高いのが特徴です。

コンドミニアム、家賃の目安 3LDK (築5年以内)

郊外の場合:40万円~
中心地の場合:50万円~

サービス・アパートメント

賃貸専用の物件で、
ホテルの一般の部屋にリビングとダイニングスペース、
キッチンがついているようなタイプの物件です。

以前は、1ヶ月から2年の中期~長期滞在用に提供されていましたが、
最近では、数日間の短期滞在から利用できるようになりました。

賃貸料の中には、部屋のクリーニングや
タオル・シーツなどの、リネン類の交換も含まれています。
平日には、朝食も提供される物件が多いです。

家具はもちろん、キッチンの食器等も揃っているので、
煩わしい引っ越しの準備なしに、
スーツケース一つで入居することができます。

コンドミニアムと比べると、狭い物件が多いので、
単身での滞在、
あるいは、家族でシンガポールに移住する際、
長期滞在用の物件を見つけるまでの、
一時的な滞在用として利用される場合が多いです。

一般的なサービスアパートメントの価格

2LDK
郊外の物件:40万円~
中心地の物件:60万円~

政府系集合住宅

シンガポール国民の80%以上が暮らすと言われている、公団住宅。

日本にあった住宅公団のようなThe Housing & Development Board という機関が
建築・販売しているため、物件自体をHDBと呼ぶことが一般化しています。

シンガポール国民の住居として販売されている物件で、
特別な事情を除き、物件全体を賃貸として使用することはできません。

ただし、部屋貸しはオーナーが居住している場合のみ、
認められています。

 

おすすめ住居エリア(コンドミニアムの場合)

シンガポールは東京23区とほぼ同等の広さの小さな国です。

この小さな国を政府は、綿密な都市計画に従い、
詳細に区分けしています。

広い敷地面積を有する一戸建てと
大規模なコンドミニアムなどが
同じ地域に存在していないのは、この為です。

住宅探しはディストリクト・ナンバーを知っていると便利

シンガポールの不動産物件を探していると、
D01などの表示に気がつくと思います。
当地でディストリクトナンバーと呼ばれています。
下記の画像で赤く囲んだ部分です。

これは以前の郵便番号の名残です。
不動産物件を探す場合は、
何故か未だに、
このディストリクト・ナンバーが使われています。

下記の表はシンガポールをディストリクト・ナンバーで
区分けしたものです。
各エリアの位置を確認するのに、お役立て下さい。

日本人に人気の各エリア

海外からの駐在員とシンガポール人の地域による棲み分けは
他の東南アジアの国々と比べると、
それほど極端ではありませんが、
それでもやはり、日本人に人気のエリアはあります。

特に、日本人家庭の場合は、
買い物や、お子様の習い事の便利さに重きをおいているようです。

オーチャード周辺 (D9)

日本人家庭に人気があるのが、
オーチャード・ロードを中心とするエリアです。

オーチャード・ロードには、日系のデパートの高島屋や伊勢丹、
日本人医師が在籍する、病院や歯科が数件あります。
また、お子様のための学習塾もこのエリアに集中しています。

最寄り駅
Orchard, Somerset, Dhoby Ghaut

主なショッピングモール
ニーアン・シティ( Ann City)高島屋
ショウ・センター(Shaw Centre)伊勢丹
アイオン-ION Orchard、
パラゴン-Paragon

家賃相場
3LDK 60万円~
2LDK 45万円~

ディストリクト・ナンバーは9。
D9と表示されます。

リバーバレー周辺 (D9)

オーチャードエリアについで、日本人に人気の高いエリアがこのリバーバレー周辺です。

オーチャードにも近く、家賃もオーチャードと比べると割安感があるのが、
人気の理由です。

ローカルの大手スーパーや大きなフードコートがある、
大規模なショッピングモール、グレートワールドシティ周辺は
高層の物件が立ち並んでいます。

日本人にも人気の高い、ダイニングエリアのロバートソン・キー周辺にも
中層階の物件が多く存在します。

地下鉄工事も進められており、2021年にはGreat World駅が完成予定です。

地名
River Valley, Robertson quay,

最寄り駅
Fort Canning

主なショッピングモール
グレートワールド・シティ(Great World City)
リャンコート(Liang Court)改装中

家賃相場
3LDK 50万円~
2LDK 35万円~

ディストリクト・ナンバーは、オーチャードと同じ9。
D9と表示されます。

ノベナ周辺 (D11)

オーチャード駅からノース・サウスラインで北へ二駅目のノベナ周辺には、
15年ほど前から、大規模なコンドミニアムの開発が進められて来ました。

他の中心地の住宅エリアと比べると、駅から近い物件が多いのが特徴です。

オーチャード周辺と比べると、比較的物件の価格が安いこと。
ノベナ駅に近いユナイテッド・スクエアーには幼児教室など、
小さなお子様の習い事教室が多くある。
そして日本人医師が常駐する病院もあるため、
日本人に人気のエリアです。

最寄り駅
Novena, Newton

主なショッピングモール
ノベナ・スクエアー(Novena Square)
ユナイテッド・スクエアー( United Square)

家賃相場
3LDK 40万円~
2LDK 28万円~

ディストリクト・ナンバーは11。
D11と表示されます。

CBDエリア (D1)

ラッフルズ・プレイス駅周辺には、古くから日系のグローバル企業が、
オフィスを構えています。

また、マリーナベイファイナンシャルセンター(MBFC)には、世界中の金融機関が集中してします。

この一帯を総称して、
セントラル・ビジネス・ディストリクトエリア(CBD)と呼びます。

MBFC周辺は、15年ぐらい前から開発が進められた埋め立て地で、
カジノやインフィニティプールで有名なマリーナベイ・サンズがあります。

近年では、世界各国からのビジネスパーソンの為のホテルの建設も進められています。

職住近接を希望する、金融系の会社に勤めている単身者などに、特に人気のエリアです。

2018年に完成したマリーナ・ワンは、
オフィス棟と住居棟そしてショッピングエリアが一つになった複合物件です。

最寄り駅
Raffles Place, Tanjong Pagar, Downtown,

家賃相場
3LDK 60万円~
2LDK 40万円~

ディストリクト・ナンバーは、1。
D1と表示されます。

サウスエリア (D4,5)

国内最大規模のショッピングセンターVIVO CITYを中心とするエリアと、
セントーサー島の住宅ゾーンを含むエリアがメインとなります。

VIVO CITY周辺には、広い敷地を活かした大規模な物件が、
西側の海岸沿いには低層の中規模物件があります。

最寄り駅
HarbourFront, Telok Blangah

主なショッピングモール
VIVO CITY

家賃相場
3LDK 45万円~
2LDK 32万円~

セントーサ島の物件
3LDK 60万円~

ディストリクト・ナンバーは4。
D4と表示されます。

ウエストエリア (D21)

シンガポールの西に位置するクレメンティには、日本人学校(幼稚園/小学校/中学校)や、
日系の高校もあり、その周辺には、
比較的賃料の安いコンドミニアムが多くあります。

クレメンティ周辺の物件は、MRTの駅からは、離れているものが多いですが、
駅やショッピング・モールまで、シャトルバスを運行している物件もあります。

また、ジュロン・イーストは現在も開発が進んでおり、
大きなショッピングモールに入っています。

最寄り駅
Clementi, Jurong East

主なショッピングモール
Jem、Westgate、IMM

家賃相場
3LDK 30万円~
2LDK 22万円~

ディストリクト・ナンバーは21。
D21と表示されます。

イーストコースト周辺 (D15)

最寄り駅
2023年に Marine Paradeが完成予定です。

主なショッピングモール
Parkway Parade

家賃相場
3LDK 30万円~
2LDK 25万円~

ディストリクト・ナンバーは15。
D15と表示されます。

 

賃貸の時のチェック点

ぱっと見は、とても豪華なシンガポールの物件ですが、
注意してみると、かなり雑な作りであることがわかります。

また、いざ生活してみると、
様々なところで不具合が発生することも、少なくありません。

賃貸物件に限らず、日本の不動産物件は
かなり細かいところまで、注意が行き届いているので、
シンガポールの物件に入居の際、日本と同じ感覚でいると
不具合や使い勝手の悪さが気になります。

ただ、現地の人にとっては、気にならないことの方が多いので、
あまり神経質にならず、ある程度のことは受け入れることも
海外で暮らす上では、必要です。

また、入居前に予め日本との違いを知っておくことで、
入居後のストレスを軽減することができます。

収納スペースが狭い、使い勝手が悪い

シンガポールの物件の面積は、日本に比べるとかなり広いのですが、
いざ生活してみると、収納スペースの少なさや、
使い勝手の悪さが目立つでしょう。

造り付けの大きなクローゼットはあるものの、
クローゼットの中は、ハンガーをかけるポールと、
底が浅く、幅の広い引き出しのみ。

中には、デザインだけを重視した、
引き出しなしの空間だらけなポールのみのクローゼットもあります。

日本のように、奥行きがたっぷりある収納スペースはありません。
日本から押入れ収納用の衣装ケースなどを持ってくると、
置き場所に困ることになります。

これは、シンガポール人と日本人の生活様式の違いが関係しています。

シンガポールには、四季がないので、
衣料を入れ替える必要がありません。
また、家にある服は夏服がほとんどです。

使わない服を一時的に収納しておくスペースを現地の人はあまり必要としていません。

服はすべてハンガーに掛けて、
クローゼットに吊るす場合が多いのです。

 

配管が細いので、詰まりやすい

日本の物件と比べると、一般的にシンガポールの排水管は細いようです。
シャワールームの水はけも、あまり良いとは言えません。

また、キッチンの排水口も、日本に比べるとかなり簡単な構造になっており、
食べ物が詰まりやすい設計です。

入居時には、必ずチェックして、問題がある場合は予めオーナーに修理をしてもらいましょう。

ゴミを捨てるダストシュートが家の中にある

ゴミの分別について、シンガポールは日本のように厳しいルールを設けていません。

コンドミニアムの地下に分別用のゴミ箱が設置されている物件も多いですが、
一般家庭のゴミは、それぞれの家にあるダストシュートを使って、
全て一緒くたに捨ててしまいます。

これは便利なのですが、清潔にしていないと、
シュートの中はゴキブリの徘徊場所ともなってしまいます。

特に低層階などは、このシュートを使って、ゴキブリが上がって来ることも…

入居の際にはシュートは清潔かをチェックする。
あるいは、シュートが家の中では無く、
共同のエリアにある物件を選ぶのも良いでしょう。

海外で生活していく上で、快適な住まいを選ぶことは
とても大切です。
特に、日本のように簡単に引っ越しができないとなればなおさらです。

焦らずに、ただし、妥協できるところは妥協して、
シンガポールでの住まいを、
上手に選んでください。

 

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