
こちらのページでは、シンガポールでの会社設立をご計画中の方に、当地での法人の銀行口座開設に関して、最新のステップや必要書類、そして各銀行の特徴について詳しく解説しています。
2026年現在、シンガポールの銀行審査は厳格化しており、事前の準備が成否を分けます。
会社設立の際、ぜひ参考にしてください。
法人口座とは
法人口座とは、文字通り法人名義で開設した金融機関の口座の事を言います。
会社を設立したからと言って、必ず法人口座の開設をしなければいけない決まりはありませんが、当地でビジネスを行う場合、
給与の支払いや会社運営での入出金の管理。
それらの取引をスムーズに行うためには必要です。
厳格化しているシンガポールでの法人口座開設
かつては比較的容易だった法人口座開設ですが、現在はマネーロンダリング防止策の強化により、審査のハードルが非常に高くなっています。
単に書類を揃えるだけでなく、「なぜシンガポールで事業を行うのか」「事業の実態が本当にあるのか」が厳しく問われます。
申し込みから開設までの期間も長期化する傾向にあり、最悪の場合は開設不可となるケースも珍しくありません。
ここからは、銀行口座をスムーズに開設するポイントや、開設の際に、必要な書類について説明していきます。
法人口座開設に必要な書類
まずは、シンガポールの法人銀行口座開設に必要な書類についてです。
一般的に必要書類は以下の通りです。
・銀行口座開設のための申込書
(書類自体は銀行側が準備。その書類の必要箇所に取締役が銀行員の前で署名します。)
・銀行口座開設の承認を行った取締役会の議事録
(こちらも銀行が準備したものに、取締役が署名をします。)
・会社登記情報(Business profile)のコピー
(登記の際に役所-ACRAから発行される、電子書類です。)
・定款(Constitution)のコピー
(登記の際に準備される書類です。そのコピーに取締役が署名をします。)
・取締役の身分証明書とそのコピー
(日本人の場合はパスポート。原本を担当者が確認、その後そのコピーに取締役が署名します。)
・取締役(サイン権者)の住所証明(英文)とそのコピー
(銀行口座開設の際、住所証明として認められるのは公共料金等の請求書や、銀行・クレジット会社からの郵便物です。)
*銀行によって、必要な書類の形式や資料は異なる場合があります。
書類不備で口座が開かないと言う事態を避けるため、
予め、口座開設予定の銀行に確認することをおすすめ致します。
追加でリクエストされる可能性がある書類等
上記の書類だけでは、会社の実態を銀行の担当者が把握できないと判断した場合、
下記の追加書類の提出を求められる場合があります。
・取引先、あるいは自社から発行した請求書や領収書。
・会社のホームページのURL。
・取引先との業務提携契約書。
初めからマネーロンダリング目的で、
シンガポールでの法人口座を開設するケースが増えてきているため
各銀行では、実態のない法人の口座開設を防止する対策を強化しています。
そのため、法人口座開設の際に、ホームページや会社案内、
実際の取引先との関係がわかる書類の提出などが求められる場合があります。
提出を求められない場合もありますが、口座開設をスムーズに行うために、
事前に準備できるものは、できるだけ用意しておきましょう。
口座開設で抑えるべき3つのポイント
以下、必ず押さえておきたい、
法人銀行口座をスムーズに開設する為のポイントをお伝えします。
1.事業内容や事業計画は明確か
銀行の担当者は予め書類で提出していても、
面談の際、会社の事業内容や事業計画を口頭で質問してくる場合がほとんどです。
事業に関しては、Business profileに記載されている事業内容を
担当者にきちんと説明ができるようにしておきましょう。
2.実態のある会社かを証明するものが提出できるか
通常外国企業の場合、シンガポールで法人登記を済ましていても、
銀行口座開設の申し込みの時点では、
正式なオフィスを借りていることは、かなりまれなケースです。
大手の会社であっても、
法人開設サポートを依頼した会社の住所を登記住所として使用しているのが、普通です。
なので、日本の口座開設時のようにバーチャルオフィスの住所だからと言って、
開設を断られるケースは以前はありませんでした。
ただ最近では、登記住所がバーチャルオフィスの住所などであった場合、
口座開設が認められなかったケースが出てきているようです。
ただし、既に会社として実態があり、
事業を既に始めている事が証明できるものがあれば、
登記住所の件はそれほど重要視されません。
追加書類の項目でご説明させて頂いたように、
会社の実態を証明するものとして、
会社のホームページや取引先からの請求書、
領収書等は予め準備しておく方が安全です。
3.資本金の額は低すぎないか?
シンガポールでは、日本同様に株式会社の最低資本金の下限を定めていません。
そのために、1シンガポールドルでも会社設立が可能です。
会計事務所によっては最初1シンガポールドルで法人を登記、
銀行口座開設後に増資を行う事が多いようです。
ただ、その際に払い込み予定の資本金欄が1ドルになっていると、
銀行側の誤解を招く恐れがあります。
資本金1ドルでは現実問題として、
会社を運営することはできません。
資本金は、会社の体力を示すものです。
事業するにふさわしい相当額の資本金を、
最初から設定しておくことをお勧めします。
特に、就労許可を取得する場合は、
ある程度まとまった金額の資本金を用意する必要があります。
法人口座を開設する際に注意する点
実際に口座を開ける際の注意点を見ていきましょう。
口座開設には銀行員との面談が必要
シンガポールで会社設立をする際、当地へ出向く必要はありません。
法人登記は、外国にいても可能です。
ただし、実店舗のある銀行で口座を開く場合は、銀行員との面談が必須です。
実店舗のある銀行での口座開設は、シンガポールにおいで頂く必要があります。
申請の際は、ご自身が直接銀行窓口に出向く。
あるいは、会社設立のサポート会社に銀行の担当者が来てくれる場合があります。
どちらのケースも口座開設を希望する方自身(取締役)が、銀行員の質問に返答する必要があります。
質問にきちんと答えられるよう、準備しておきましょう。
事業内容や口座開設の理由を質問される
一般的に銀行の担当者は、口座開設を希望する人に対して
下記の様な質問をします。
・何故、法人口座が必要なのか?
・シンガポールで行う事業の内容
・毎月の銀行の利用頻度
・資本金の出処
・会社の年間の売上予定
上記以外にも事業内容によっては、
更に詳しい説明や、
それを裏付ける、資料の請求をされる場合もあります。
質問された際に、慌てたり戸惑ったりしないよう、
実際にきちんとシンガポールで事業を行う事を、
担当者が納得してくれるような説明ができるように、
事前の準備をしておきましょう。
口座開設は、ある程度時間がかかる
法人の銀行口座開設は、個人の場合と異なり、
審査を必要とするため、即日開設ができません。
審査の期間は、銀行や担当者によっても異なります。
以前と比べると口座開設に要する時間が長くなっているようです。
特に口座開設後、就労許可の申請を予定されている方は、
余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。
新規法人が口座開設できる銀行
シンガポールには、ローカルの銀行を始め
世界中から、数多くの銀行が集まって来ています。
その中で特別なコネクションなしに、
新規の法人が口座開設できるのは、
通常DBS、OCBC、UOBのローカル銀行3行になります。
日系の銀行の場合
シンガポールでフルバンクライセンスを取得している、
三菱UFJ銀行(MUFG)やみずほ銀行、三井住友(SMBC)でも口座開設は可能です。
但し、既に日本で取引のある法人を対象としており、
シンガポールに新規に設立された企業の口座開設は、
特殊な場合を除き、現時点ではほぼ不可能と考えた方が良いようです。
その他外資の銀行
イギリス資本のHSBCやスタンダードチャータード銀行をはじめ、多くの外資系銀行がシンガポールには存在します。
外これらの銀行での口座開設は、ケースバイケースです。
通常これらの銀行は、既にシンガポールで事業実績がある会社や
紹介者がある場合のみ、口座開設が可能です。
既に他の国で取引があり、
どうしても特定の外資の銀行での口座開設をご希望の場合は、予め銀行に確認しておきましょう。
シンガポールのローカルバンク
ローカルバンク3行について、簡単に説明いたします。
DBS
1968年にシンガポール政府により、開発に対する融資機関として設立された銀行です。
設立当初の名称は、シンガポール開発銀行(The Development Bank of Singapore Limited)。
2003年にDBS Bank Limitedと名称を変更。
国内に100以上の支店を持つ、シンガポール最大の銀行です。
また、東南アジアを中心に世界18カ国、280以上の支店があります。
資金量でもアジア最大の銀行です。
以前は新規に設立された外国資本の法人でも、口座の開設がとても簡単にできたのですが、
最近は、新規設立の外国資本法人にとっては、かなりハードルが高い銀行となってしまいました。
インターネットバンキングの使いやすさには、定評があります。
口座開設には、予約を取っておく必要があります。
OCBC
正式名称は、Oversea-Chinese Banking Corporation Limited
中国語表記では、華僑銀行。
1932年に3つの華僑系の銀行が合併し設立された、シンガポールで一番古い銀行です。
ブルームバーグが毎年発表している、
「世界最強の銀行」で2011年と2012年には、No1に選ばれています。
外国資本の法人に関して、3行の中では比較的口座が開けやすい銀行です。
UOB
正式名称は、United Overseas Bank Limited
中国語表記で大華銀行有限公司。
シンガポールで3番目に大きな銀行です。
創設は1935年。
アジア中心に海外展開をしている他の2行と比べると、
北米やヨーロッパにも積極的に事業を展開しているようです。
世界19カ国に500の支店や駐在員事務所があります。
実店舗を持たない銀行(ネット銀行)
シンガポールでは実店舗を持たず、オンラインで全ての柔軟な手続きが完結するデジタルバンクが、新規設立法人の有力な選択肢として定着しています。
一般の銀行と比べて手数料が安く、外国資本の企業でもスピーディーに口座開設が可能な点が最大の特徴です。
主なネットバンク
• Aspire(アスパイア)
シンガポール最大の銀行であるDBSの資本背景を持つ、スタートアップや中小企業に最も利用されているデジタルバンクの一つです。
法人口座の機能に加え、デビットカードの発行や経費管理システムとの連携など、経営に必要なツールが一体となっているのが強みです。
• ANEXT Bank(アネクスト銀行)
アント・インターナショナル(アリババ・グループ関連)傘下のデジタル銀行です。
特に中小企業(SME)の支援に特化しており、完全デジタルなプロセスで、国境を越えたビジネスを行う法人が迅速に口座を確保できるよう設計されています。
【戦略的なアドバイス】
実店舗のあるローカル銀行の審査は年々厳格化しており、開設までに数ヶ月を要することも珍しくありません。
まずは、比較的審査がスムーズなAspireやANEXT Bankなどのデジタルバンクで事業用口座を即座に確保し、その後に実店舗のある銀行の審査を進めるという「2段階の戦略」を取ることで、ビジネスチャンスを逃さずスムーズな事業開始が可能になります。
法人口座の開設は、国内外でビジネスを展開するために必要不可欠なものです。
口座開設がスムーズに行えるよう、事前に正しい情報を入手し、
用意できる書類を、できるだけ準備しておきましょう。
提出書類は、変更されることがあります。
法人口座開設を希望する際は、予め銀行に確認する事をオススメ致します。
日本人専門家が完了までをサポート
初めての海外会社設立では、何から始めれば良いのか、どんな書類を揃えればよいのか、あるいは、設立後の手続きなどさまざまな場面で不安を抱えてしまうことが多いでしょう。
シンガポールでの法人設立・節税移住サポートのYHF PTE.LTD.では、2004年から当地で会社設立のお手伝いをさせて頂いた経験をもとに、設立準備から登記後に必要な手続きまでをお客様に並走し、完全サポートいたします。
ご相談方法はメール・オンライン・電話の3種類から選べます。
まずは、お問い合わせフォームから現在のお悩みをご連絡下さい。
ご自身のスケジュールに合わせて設立手続きをすすめるお手伝いをいたします。
あなたのシンガポール会社設立に関する悩みや疑問を専門家に相談してみませんか?
シンガポール・ビジネスサポートでは、現在、無料メール・電話相談を実施中です。
シンガポールでの事業展開を考えているけれど、
「自分の方向性はあっているのか?」
「どうしたらシンガポールで会社設立を設立して、移住する事が出来るのか」
などの質問に専門家がお答え致します。
ぜひ、この機会をご利用下さい。

