あなたはシンガポールの事、どのくらい知っていますか?
移住や会社設立で、注目度の高いシンガポールですが、
特定の一面だけが、クローズアップされているのが現状です。
今回は、シンガポールへの会社設立や移住をご検討に皆様に
シンガポールでビジネスを始めたり、
居住する前に知っておいてほしい
シンガポールの基礎知識をお届けいたします。
シンガポールの基礎データ
とても新しい国ーシンガポール
シンガポールが建国されたのは、1965年の8月9日。
建国から53年の新しい国です。
国の正式名は
シンガポール共和国
英語表記では
Republic of Singaporeとなります。
それまでマレー連邦の一部だった、シンガポール島ですが、
マレーシア連邦から追放される形で
都市国家として、分離独立したという歴史があります。
決して望んだ形として、
シンガポールは独立を果たしたわけでは無かったのです。
建国の父と呼ばれる、
初代首相リー・クアンユー氏が、
独立を国民に伝えるテレビ演説で「無理だ、無理だ」と独り言をつぶやきながら、
涙を流している映像は有名です。
そんな、突然の独立から、リー・クアンユー氏を始め、
シンガポールの発展に尽力した人々の努力が実り、
この53年の間に、シンガポールは目覚ましい発展を遂げました。
シンガポールの一般事情について
それでは、シンガポールの一般事情について見てきましょう!
1.面積
シンガポールの国土面積は、721.5平方キロメートル (2018年時点)です。
とても小さな島国なので、
西端から、チャンギ国際空港がある、東の端までは、
車で1時間もあれば横断が可能です。
ちなみにシンガポールの面積は埋め立てにより、
年々広くなっています。
1960年代の面積は、581.5平方キロメートル!
建国時と比べると、なんと20%も国土が広くなっているのです。
更に、2030年までには、
766平方キロメートルに広げる計画を、政府は発表しています。
以前は、良く淡路島と同面積(約592.26平方キロメートル)と言われていましたが、
それは建国当時の面積だったようです。
最近では、東京23区の面積(621平方キロメートル)を例えに出すことが多かったのですが、
2018年時で、100平方キロメートルも違ってきてしまったので、
こちらも、例えとしては適切ではないかもしれません。
2.人口
シンガポールの人口は2018年現在で、
約579万人と発表されています。
ただし、この中でシンガポール国民と
永住権保有者の数は、400万人程度。
残りの約180万人は
就労許可などを持っている外国人ということになります。
シンガポール人に限った出生率は、
世銀の調査によると、1.200 (2016年度)
対象国187カ国中、186位の低さです。
最低出生率は、韓国の1.172。
日本は、1.440で171位でした。
少子化問題は申告です。
政府は、優秀な人材や子供達を他の国から誘致しています。
世界中の優良企業だけでは無く、
国民も海外から求めてしまう、シンガポールです。
3.民族
シンガポールは、多民族国家として知られています。
その構成比は(2017年6月時)
中華系が74%、マレー系が13%、インド系が9%となっています。
地下鉄やバスの中の表示が、
英語、中国語、マレー語、タミル語の4カ国語で表示されているのは、
外国人観光客の為ではなく、この多民族構成によるものなのです。
4.言語
シンガポールには、
英語、中国語(マンダリン)、マレー語、タミル語の
4つの公用語があります。
国家の言語として定められているのは、マレー語です。
国歌もマレー語で作詞されています。
人口構成比だと、華人が圧倒的に多いのに意外ですね。
国家戦略として、
英語の早期教育が国家独立後進められてきました。
小国シンガポールが世界の中で、
国家として発展していくための手段として、
グローバルな語学を選んだのです。
なので、公立学校の授業は、通常英語で行われ、
政府や公的機関の書類なども、
全て英語で表記されています。
ただし、街の中でよく耳にするのは、
圧倒的に多い、中華系の人々が話す、
中国語(マンダリン、福建語、広東語)です。
国家としての正式言語はマレー語。
教育現場や、ビジネスの場で使われるのは英語。
更に街で一番耳にするのは、民族構成比で
一番の割合を占めている華人が話す、中国語
とかなり、複雑な言語体系になっています。
よくオフィスなどで中華系の人が
中国語と英語を混ぜて話をしているのを聞くと、
本当に、多言語国家なのだと実感します。
5.宗教
言語同様、宗教もまた
多民族な人口構成を反映して、
多くの宗教が存在しています。
主なものには、
仏教、イスラム教、キリスト教、ヒンズー教、道教などがあります。
国の祭日も、これらの宗教に関連する物がほとんどです。
仏教寺院のすぐ隣にヒンズー寺院があったりと、
なかなか興味深い風景を目にすることができます。
6.気候
シンガポールは、
マレーシア(マレー半島)の最南端に位置しています。
気候はモンスーン気候、
一年間を通して、高温多湿です。
年間平均気温は26℃から28℃ですが、
日本の夏と比べると、
一番暑いと言われている5月から6月でも、
かなり過ごしやすいと感じます。
自然災害について
ほぼ赤道直下に位置するため、
台風による被害の心配はありません。
また、2018年現在まで大きな地震が発生した事は無く、
2004年と2016年にインドネシアのスマトラ島沖で発生した地震で、
それぞれ、震度1,2程度の地震を観測しました。
この程度の地震でも、ニュースで大きく取り上げられるほど、
地震とは縁のない国です。
近年大きな自然災害に続けて、
見舞われている日本と比べると、
本当に安全な国だと実感できます。
政治体制について
シンガポールの政治形態は、立憲共和制です。
国家元首は大統領ですが、儀礼的な存在で、
行政権は保持していません。
行政権は内閣にあります。
2017年9月14日には、シンガポール初の女性大統領、
マレー系のハリマ・ヤコブ氏が誕生しました。
大統領の任期は6年です。
行政の長である首相は、
WIKIでは、最も力のある人物と紹介されています。
The Prime Minister of the Republic of Singapore is the head of the government of the Republic of Singapore, and the most powerful person in Singapore.
確かに、与党の意見が圧倒的に強いシンガポールでは、
首相の力は他の国に比べて、かなり強力と言えます。
現在の首相は、3代目。
初代首相(リー・クアンユー氏)の長男にあたる、リー・シェンロン氏です。
国防
日本の皆さんに意外に知られていない、
シンガポールの国防事情について。
国家予算の18%が、国防費に当てられています。
(2018年度国家予算より)
世界でも有数の、国防比率が国家予算にしめる割合の高い国です。
ちなみに、世界平均は8%台。
また、シンガポール人の男性(永住権保有者の子弟も含む)には
2年間の兵役義務があります。
経済に関して
リーマンショック後、
アジアの金融センターとして有名になったシンガポールですが、
意外なことに、国の主要産業は製造業です。
ただし、製造業の中でも、特殊な半導体の生産など、
他国が苦手としている分野に、特化しているのが特徴です。
もちろん、金融や通信などの産業も
シンガポールの主要産業となっています。
シンガポールの経済については、通商産業省(MTI)が、四半期ごとの発表を行っています。
Economic Survey of Singapore First Quarter 2018
GDP
2017年度のIMF統計に基づく1人当たり購買力平価(PPP)ベースのGDP(国際総生産)は
世界第4位で、93,905USドル。
独立時は500USドルにも満たなかったそうです。
ちなみに上位3位は、カタール、マカオ、ルクセンブルク、
日本は42,832USドルで30位。かなり低いですね。
国あたりのGDPを見てみると、
シンガポールは37位の323.9(10億USドル)です。
2018年第1四半期のGDPの伸び率は、4.4%です。
失業率
2017年度の失業率は2.2%。
前年と比べると、0.1%の上昇です。
求人難と言われている、日本の完全失業率は、
2.88%(2017年)です。
下記のリンクから、シンガポールの2008年からの失業率を確認することができます。
MOM Summary Table: Unemployment
建国当時と現在のシンガポール
建国から、シンガポールがどれくらい発展をしてきたか、
簡単な表にまとめてみました。
GDPの伸び率は、国民一人あたりで、約220倍
国家ベースでは、324倍です!
この50年でいかに、
この国が急激な成長を遂げてきたかが分かりますね。
現在(2018年)
|
建国時(1965年)
|
|
人口 |
579万人
|
200万人以下
|
国土面積 |
721.5平方キロメートル
|
581.5平方キロメートル
|
国家のGDP |
3239億USD
|
10億USD
|
国民一人あたりのGDP(PPP) |
93,905USD
|
427USD
|
失業率 |
2.2%
|
不明
|
その他の情報
在留邦人数
36432名 2017年10月現在
シンガポールの日本大使館に、
在留届を提出している人の数です。
届け出を提出していない人もいるので、
実際数はこれを上回ります。
日系企業数
836社 2017年1月現在
日本商工会議所登録の企業数です。
まとめ
シンガポールに興味を持って頂けましたか?
ごく一部の、表面的なシンガポールの情報を
大急ぎでお伝えしてきました。
お伝えしたいことは、沢山あります。
もし、シンガポールの事をもっと知りたい!と感じてたら、
次はご自身で、シンガポールの事色々調べてみて下さい!
その時に大切なのは、
決して、一つの情報を鵜呑みにしないこと。
そしてできれば、政府などが発表している信頼できる情報を入手することをおすすめします!