シンガポール会社設立9つのメリットデメリット

こちらでは、シンガポールでの会社設立をご検討中の経営者の皆様に、
知っておいて頂きたい、会社設立のメリットとデメリットをまとめました。
会社設立の際の参考になれば、うれしいです。

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シンガポールで会社を設立するデメリット

では始めに、会社を設立する際のデメリットから見ていきましょう。

デメリット その1

会社を設立したからと言って、節税になるわけではありません。-本当に会社を設立する意味はあるのかを、まずは考えましょう

節税のため、シンガポールに会社を設立したいとご相談を多くいただきます。
いただいたご相談から私が感じるのは、ただ会社をシンガポールに設立しただけで、
節税になると思っている方がとても多いと言う事です。

メリットの項目で、詳しくお伝えいたしますが、
シンガポールの法人税は、世界的に見ても低く抑えられています。

そのメリットを最大限に利用すれば、もちろん大きな節税は期待できます。

シンガポールに法人を設立する事が、本当に節税になるのか。
まずは節税のための、正しいスキームを作る事が必要です。
会社を設立する意義を確認しましょう。

せっかく当地で会社設立しても、
その会社が実態のないペーパー・カンパニーだった場合、
日本法人の一部と見なされ、
本店との合算で日本で納税の義務が生じる恐れもあります。

それでは、当地に会社を設立した意味がありません。

また、代表者がシンガポールへ移住せずに日本にとどまる場合、
代表者は外国人として、シンガポールで役員報酬を受け取ることになり、
源泉徴収税をシンガポールへ納める必要があります。

*2024年1月現在、
シンガポール非居住の役員報酬(給与として)の源泉徴収税率は22%です。

ただ法人税が低いからと言うだけの理由で、簡単に会社設立をするのは、危険です。

デメリット その2

会社の維持費が意外にかかる

2番目もペーパー・カンパニーに関してのデメリットです。

シンガポール政府が、法人税を低く抑えているのは、
海外からの優良企業を誘致するのが主な目的です。

海外の優良企業に、シンガポールの低税率や優遇税制を活用し、
アジアやアセアン、あるいは世界を拠点としたビジネスを展開してもらいたいと言う思惑があります。

バージン諸島やケイマン諸島のような、タックスヘイブンの島々とは異なり、
シンガポール政府は、実態のないペーパー・カンパニーの存在を良しとしていません。

近年では、世界中で租税回避に関する問題が大きくなって来ている為、
ペーパー・カンパニーへの対応も厳しくなって来ています。

そのため、実態のない会社をシンガポールに設置しても、
恩恵を受けられる事象は、ほとんど見当たりません。

会社設立後、会社を維持するためには、現地在住の取締役や秘書役の設置、
登記上のオフィス住所(バーチャルも可)の必要性など、思った以上に経費がかかります。

税率の低さだけに着目した、実態のない会社設立はおすすめできません。

デメリット その3

シンガポールのマーケットは小さい

ここからは、実際にシンガポールで事業を行う際のデメリットです。

シンガポールの国土面積は、719.9km²。
東京23区内(619km²)よりやや大きいぐらいの面積です。

商圏の規模は、京都府とほぼ同様と言われています。(2020年時点)
シンガポール国内のみの事業展開を計画した場合、
それほど大きなビジネスの発展は望めません。

大きなビジネス展開を希望されるのであれば、
シンガポールに設立する会社は、統括会社として位置づけし、
周辺国など他の国を絡めたビジネスを行う事を、視野に入れる必要があるでしょう。

デメリット その4

不動産価格や車の価格が異常に高い

2022年3月中頃から始まった円安により、海外の物価の高さが顕著に感じられる日本ですが、
シンガポールと日本の経済力は、実は以前からかなり大きな開きがあるのです。

国民一人あたりのGDP(米ドルレート換算)は日本はシンガポールの半分以下。
購買力平価でのGDP換算では、3倍近くの開きがあります。

日本から見るとシンガポールは、とても物価の高い国に位置づけられます。

実際は、一般消費財や公共交通機関の料金は比較的安価ですが、
インターナショナル・スクールを含む私立学校の教育費、不動産価格、車の値段など、
購買単価の高いものは日本と比べてかなり高額です。

その為、生活の拠点をシンガポールに移すとなると、
日本以上に生活費がかかることを、覚悟しなければなりません。

会社設立にかかる費用の他に、
どのような生活を現地で送るのかをしっかり予測し、
その為の十分な予算を確保する事が大切です。

デメリット その5

やはり外国である

一体何と言っているのだと、思う方も多いかも知れません。
ただし、これは海外に進出、あるいは移住する場合、
きちんと理解しておいて頂きたい、とても大切な事柄です。

当地で生活していると、
ビジネス上でも、「日本だったら、○○なのに」と言う言葉をよく耳にします。
全てが日本と同じように進んでいくと思ってしまうと、「こんなはずじゃ無かった」
と失望する事が多くなってくるでしょう。

特に、シンガポールの場合、会社設立や移住のハードルが諸外国と比べて低いため、
日本と同じやり方で、問題ないと勘違いしてしまいがちです。

実際、当地に進出してきた日本の企業の中には、
日本と同じ感覚で会社を運営したり、
日本の習慣や決まりを、そのまま現地で通そうとする傾向がみられます。

思ったように業績が上がらないと、
「やはり、シンガポールはビジネスに向かない」
などと他責思考に陥り、簡単に撤退してしまう企業も多いのが実情です。

海外に会社を設立して、事業を行う場合、
海外で生活する事、ビジネスを行う事とはどんなことかを、
しっかりと理解しておく必要があります。

「日本と同じように物事が進まなくて当たり前」
ぐらいの気持ちで望むのが、一番よいのではないでしょうか。

デメリットまとめ

シンガポールでの会社設立は、維持費や生活費に大きな費用がかかる事、
商圏の小ささなどのデメリットがあります。
シンガポールで会社を設立するかどうかは、
自社の事業内容や経営戦略を踏まえて慎重に検討する必要があります。

もし、あなたがシンガポール法人設立のデメリットを十分に理解した上で、
それでもシンガポールでの会社設立をご希望であれば、
当社では、設立から運営まで、全面的にサポートさせていただきます。

ご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

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シンガポールで会社を設立するメリット

それでは、ここから、シンガポールで会社設立に関するメリットについて確認していきます。

メリットその 1

圧倒的に有利な税制

多くの人がご存じのように、
シンガポールでの会社設立のメリットは、なんといっても低い税率にあります。

2024年1月現在の法人税率は17%です。
色々な税制優遇措置もあるため、
実効税率に関しては、10%以下になる場合が多いです。

ただし、どんなに税率が低くても、会社の売上が上がらなければ、
この税率の恩恵を受けることができません。

まずは、売上ありきと言う事を、肝に銘じておきましょう。

メリットその 2

優れたインフラの整備&ハブとしての立地の良さ

シンガポールのビジネス、交通、そして生活インフラの整備はアジア中、
あるいは、世界でもトップクラスと言えます。

都市国家シンガポールでは、
いかに、ビジネスを効率的に行えるかを政府が常に熟考し、
迅速に行動に移しています。

世界トップの空港

政府は、国家自体をアジアのハブと位置づけています。
特に国の入り口である、空港の整備は秀逸です。

シンガポールの門戸ともいえるチャンギ空港は、
コロナ渦の3年間以外は、航空格付会社SKYTRAXで世界最高の空港に8年連続で選ばれており、
2023年は首位に返り咲いています。

近隣諸国への移動は、日本で国内移動をする感覚で手軽にできます。
また、オセアニアやインド、中東などへのアクセスもとても便利です。

優れた交通インフラ

そんなチャンギ空港から、ビジネス中心地のラッフルズ・プレイス周辺までは、
約20kmの距離です。

空港からは、市内中心部まで直接乗り入れることができる無料の高速道路が2路線あり、車なら30分ほどで、中心地へアクセスできます。

アジアの多くの国々に見られる、交通渋滞がほとんど無いため、車での移動は快適です。

もちろん公共交通も整備されており、外国人でも簡単に利用する事ができます。

メリットその 3

外国企業に優しい環境

海外で会社を設立する際、その国が外国人や外国の企業に対して、
高いハードルを設けていないかを、予めチェックすることは大切です。

国内企業の保護を目的として、
外国資本の企業に対して、不利な条件を課す国は少なくありません。

会社設立の際に、国内企業よりも高い資本金の要件を課す国や、
外国人100%の外資による法人設立を認めない国もあります。

その点、シンガポールは外国企業の進出に、とても好意的です。

なぜなら、シンガポールは資源を持たない小国であり、
海外からの投資が絶対的に必要だからです。

世界の中で豊かな国として存続していくためには、
海外からの、優秀な企業の誘致が必須となります。
そのため、外国企業に対する優遇措置が多く存在します。

グーグルやマイクロソフト、ヤフーなどのアジア統括会社は、全てシンガポールにあります。

少し前の話になりますが、P&Gがアジアの統括会社を日本からシンガポールに移転し、話題となったので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

多くの世界規模の企業がシンガポールに統括会社を置くのは、
当地が多くのメリットを持っているからです。

世界トップクラスのビジネス環境

シンガポールは、世界銀行のビジネス環境ランキング(Ease of doing business index)やIMDの国際競争力ランキング(World Competitiveness Ranking)では常に上位にランクインしています。

世界の中でも、トップクラスでビジネス環境が整っている国といえるでしょう。
また、政府が積極的に外国企業の誘致を行っていることから、ビジネスチャンスも豊富です。

 

  • 2021年9月16日 世界銀行は「Ease of doing business index」の評価において不正があった為、今後当該指標の発表を停止すると声明を出しました。2022年3月28日、不正行為が行われた2017年から2020年のスコアを修正し、再発表しています。そのため、最新のデータは2020年のものになります。

 

メリットその 4

安全でクリーンな環境

会社設立する地域を選ぶには、
政治的安定や自然災害のリスクなど、安全性を重視することも大切です。

多くのアジアの各国では賄賂が横行し、
政府の政策も利権がらみの場合が多いのが実情です。

また、政権も不安定な国が多く存在します。
政権が変わった事により、長い間、検討していた事業が一夜にして、白紙状態になることも珍しくありません。

シンガポールの政府は、世界の中でもクリーンな政府として知られています。
利権がらみの問題が発生する可能性は、とても低い国です。

ビジネスに集中する環境は全てそろっています。

自然災害のリスクが低い国

シンガポールの自然災害のリスクは、世界的に見ても非常に低いと言えます。
その理由は、以下のとおりです。

【地震の心配がほとんどない】
シンガポールは、ユーラシアプレートに位置しており、活断層がほとんど存在していません。

また、火山活動の活発な地域からも離れています。
そのため、地震が発生するリスクは非常に低いです。
過去に直下型地震が起きた記録はありません。

上記のような理由から、データセンターの設置場所としても注目されています。

【台風や津波の被害を受けない】
赤道直下に位置しいるシンガポールは、
台風が発生する条件が整っていないため、台風の影響をほとんど受けません。
また、地形上、津波が到達することはほとんどありません。

このように、自然災害のリスクが非常に低い国です。
このことは、企業の立地や投資先としての魅力を高める要因の一つとなっています。

アジアで一番治安の良い国

オーストラリアに本部をおく国際的なシンクタンク、経済平和研究所(IEP)が毎年発表を行っている、
「世界平和度指数(Global Peace Index)」の2023年度のシンガポールの順位は6位です。

アジアで最も治安の良い国です。

これらのメリットを踏まえると、シンガポールは、海外進出や移住を考える日本人にとって、非常に魅力的な国と言えるでしょう。

まとめ

シンガポールで会社設立する際の、一般的なメリットやデメリットをご紹介しましたが、
物事の捉え方には個人差があります。

同じ事象でも、ある人にとっては、メリットがデメリットに、また、その反対になることもあり得ます。

そのため、一般的なメリットやデメリットだけで結論を出さずに、
ご自身の会社やご家庭の事情を考慮する事が大切です。


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