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シンガポールで会社を設立したいが、

「具体的に何からはじめればいいのか分からない」

「現地の法律や手続きがわからないので不安」

「税制優遇を活かした資産戦略を進めたいが、どうすればいいのか分からない」

「会社設立を実行する前に、注意しておくべきポイントが知りたい」

そんなお悩みを抱える日本の経営者様へ。

本記事では、現地の最新の情報と当社の現地での支援実績をもとに、シンガポール法人設立の手順をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  シンガポール法人設立のメリット

  設立の基本要件と事前検討ポイント

  具体的な設立手順

読み終える頃には、シンガポールでのビジネス展開に必要な知識が体系的に整理され、具体的な行動計画が立てられるようになります。

「シンガポールで会社を立ち上げたい!」というあなたの疑問をすべて解決できるよう、本記事はかなり力を入れて作り込みました。そのため、少し長めになっています。

お急ぎの場合は、目次から気になる見出しをクリックし、ピンポイントで情報を手に入れてください。

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シンガポールで法人設立をご計画中ですか?

現地にて、経営者のためのシンガポール法人設立・
節税移住をトータルでサポートします。
現在抱えている悩みや疑問を、
専門家に質問してみませんか?

1.なぜ、シンガポールで法人設立なのか?

多くの経営者がシンガポールに注目するのには、きちんとした理由があります。
シンガポールを法人設立先として選ぶ主な3つのメリットをご紹介します。

1-1. 法人税率が低く、課税制度がシンプル

シンガポールの法人税率は最大17%と、日本の中小企業の約30%と比べて大幅に低くなっています。

スタートアップ免税制度や部分免税制度などの税制優遇措置も充実しており、日本との租税条約により二重課税のリスクも軽減されています。

配当金の源泉徴収税がゼロという点も、日本人経営者にとって見逃せないメリットです。

1-2. アジアビジネスの戦略拠点としての優位性

シンガポールはASEAN地域の中心に位置し、チャンギ国際空港から東南アジアの主要都市へ数時間でアクセス可能。
物流・人材の両面で効率的なビジネス展開ができます。

多くの業種で外資100%の会社設立が認められており、世界経済フォーラムの国際競争力ランキングでも常に上位を維持する優れたビジネス環境を誇ります。

World Competitiveness Ranking 2024

1-3. 教育環境・治安・医療のレベルが高く、移住先としても魅力

法人設立をお考えの経営者様にとって、お子様の教育環境や家族の生活拠点としての適性も重要な判断材料です。シンガポールはビジネスと家族生活の両面で理想的な環境を提供してくれます。

世界トップクラスの教育水準を誇り、数学や科学の国際学力調査で常に上位を維持しています。日本人学校も充実しており、インターナショナルスクールとの選択肢もあります。

治安面では、世界で最も安全な国の一つとされ、夜間の外出も安心。医療施設も最先端の設備と高い技術水準を備えており、家族全員の健康管理に不安がありません。

英語が公用語でありながら、中華系が多く親日的な国民性も、日本人家族が溶け込みやすい理由の一つとなっています。

シンガポールの法人設立には他にも様々なメリットとデメリットがあります。

詳細については「シンガポール会社設立のメリット・デメリット」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

2. シンガポール会社設立の基本要件|種類・資本金・登記住所を解説

会社設立の流れをご説明する前に、シンガポール法人設立の基本要件を確認しましょう。

2-1. 会社の種類

シンガポールで設立可能な主な会社形態は以下の4つです。

種類 特徴
Limited Company
(公開有限会社)
株式を公開可能な株式会社
Private Limited Company
(非公開有限会社)
最も一般的
日本の株式会社に相当
Branch Office
(支店)
日本の本社の一部として運営
Representative Office
(駐在員事務所)
市場調査など限定的な活動のみ可能

シンガポール会社設立で最も選ばれるのは「Private Limited Company」です。
独立した法人格を持ち、出資者の責任が有限な点が特徴です。

会社種類についての詳細は”シンガポールの会社種類とその特徴について“を
併せてご覧ください。

2-2. 取締役・株主の要件

次に会社設立の要件です。

シンガポールで会社を設立するために必要なメンバーは以下の通りです。

取締役:1名以上
(21歳以上の個人。うち1名以上はシンガポール居住者が必須)
株主:1名以上
(国籍・居住地不問、法人でも可)
会社秘書役:1名以上
(シンガポール居住者が必須)

重要ポイント: 取締役のうち少なくとも1名は、シンガポール国民または永住者である必要があります。

日本人経営者がシンガポールに移住せずに会社設立をお考えの場合は、現地の名義貸しサービス(取締役代行サービス)をご利用いただくことで、この要件をクリアできます。

 2-3. 資本金・株式の設定

資本金の設定 シンガポールの法定最低資本金はS$1(約100円)ですが、実務上は事業内容に応じてより多くの資本金を設定することが推奨されます。

実務的な目安

就労ビザが不要な場合:S$50,000(約500万円)程度
就労ビザが必要な場合:最低S$100,000(約1,000万円)程度

銀行口座開設や就労ビザ申請をスムーズに進めるため、資本金は多めに設定する方が企業の信用度向上につながります。

株式の設定
設立時に以下を決定します。

発行可能株数の上限(例:1,000株)
1株あたりの額面金額(例:1株=S$1)

株主間の出資比率は各株主の保有株数によって明確に分割されます。
例えば、資本金S$100,000で1株S$100の場合、合計1,000株が発行され、出資額に応じて株数が割り当てられます。

2-4. 「登記住所」

シンガポールで会社を設立する際には、シンガポール国内の住所を法人登記住所として登録することが義務付けられていまが、必ずしも物理的なオフィスを用意する必要はありません。

物理的オフィスが不要な場合
登記住所は、サポート会社が提供する登記用住所サービスや、バーチャルオフィスの住所を利用することが可能です。

物理的オフィスが必要な場合
業種や事業内容によって、実際にオフィスや店舗を構える必要があるケースでは、会社設立時には一時的にサポート会社が提供する住所を登記に使用。
その後、物件が確定し次第、登記住所を変更するという流れが一般的です。

2-5. 事業内容

会社設立時には、「どのような事業を行うか」をあらかじめ登録する必要があります。
シンガポールでは、SSIC(Singapore Standard Industrial Classification)コードから最大2つまで事業内容を選択して申請します。

登録された事業内容は「ビジネスプロフィール」に記載され、銀行口座開設や就労ビザ申請時に確認されます。

事業内容は大まかなカテゴリで登録されるため、日本のように細かい事業目的を並べる必要はありません。
設立後の事業内容変更も比較的柔軟に対応できます。

なお、金融・教育・医療・飲食・不動産など、一部の業種ではライセンス(営業許可)の取得が必要です。
該当する可能性がある場合は、事前確認をおすすめします。

ライセンス要件の詳細は,以下の記事をご覧ください。
シンガポールでライセンスが必要な業種と申請方法

2-6. 決算月の設定

会社設立時には、会計年度(Financial Year End)をいつにするかを設定する必要があります。これは毎年の決算や会計報告、法人税申告のタイミングを決めるためのものです。

設定のルール:

決算月は自由に設定可能
設立日から1年以内に決算月を決定する必要がある

最初の年度は決算期間が12ヶ月以内に収まるよう調整される

決算月選択のポイント:
日本に親会社がある場合は、連結決算に合わせて決算月を調整することも可能です。

決算月の設定はACRAへの届け出が必要です。頻繁な変更は推奨されていないため、設立時によく検討して決定することをおすすめします。

詳しくはACRA公式サイト「決算期の決定に関するガイド(英文)」をご参照ください。

3.シンガポール会社設立前に検討すべき4つのポイント

シンガポールでの会社設立をご検討の際、事前に確認しておきたい4つのポイントがあります。
設立手続きに入る前に、これらのポイントをしっかり確認しておきましょう。

3-1. ビジネスモデルの妥当性|市場性・拠点の必要性を検証

シンガポールでの事業成功には、現地の市場ニーズや競合環境の把握が大切です。

特に次の点をチェックしましょう。

シンガポールでの需要:現地で本当に売れる商品・サービスか?
拠点の必要性:物理オフィスは必須か?リモート運営は可能か?
日本との取引形態:輸出入・送金・税務上の効率性は?

「とりあえず現地法人を作る」のではなく、「なぜシンガポールなのか?」を明確にすることで、長期的な成功につながりやすくなります。

3-2. 銀行口座開設の難易度|審査強化でハードル上昇中

近年、シンガポールでは、マネーロンダリング対策強化により銀行口座開設の審査が厳しくなっています。

新規設立会社では口座開設に時間がかかるケースも増えているため、早めの準備をおすすめします。

3-3. ビザの取得(必要に応じて)|経営者向け就労ビザの種類

現地居住をお考えの場合、就労ビザが必要です。
主な種類は以下の3つです。

Employment Pass(EP / エンプロイメント・パス)
→ 最も一般的な就労ビザで、学歴や職務経験、給与水準などが審査されます。2025年1月以降の新規申請では、最低給与額はS$5,600からですが、経営者としてビザを申請する場合は、月額S$12,000程度の給与水準が推奨されます。(当社実績より)
EntrePass(起業家ビザ / アントレパス)
→ スタートアップ向けのビザです。ビザ取得には、以下の要件を満たす必要があり、一般的な事業展開とは要件が大きく異なります。
– 革新的なビジネスモデル(シンガポール政府が認定)
– ベンチャーキャピタルからの資金調達実績
– 特許技術や独自の知的財産を保有
Overseas Networks & Expertise Pass(ONE Pass / 海外ネットワーク&専門知識パス)
→ グローバル企業の幹部やアスリート、芸術家、研究者、技術者などの専門職向けのビザです。年収S$30万以上に加え、国際的な企業での幹部経験や特定分野での世界レベルの専門性が求められるため、通常のビジネス目的での申請は現実的ではありません。

EntrePass(アントレパス)とONE Pass(ワンパス)は、EP(エンプロイメント・パス)と比較して、申請の要件が厳しく設定されています。

これらのビザは、一般的な事業を行う日本人経営者の皆様にとって必ずしも必須ではありません。

そのため、まずはEP(エンプロイメント・パス)の取得を目指すのが現実的な方法と言えるでしょう。

それぞれのビザの要件の詳細は、MOM(人材開発省)公式サイト(英文)をご確認ください。

One Passについては、当社ブログ「2023年1月に新設された、シンガポールの就労ビザ”ONE-Pass”を徹底分析」もあわせてご覧ください。

3-4. 日本法人との関係||既存法人をどうするか事前に決めておく

シンガポールで新会社を設立する際、既存の日本法人をどう扱うかは事前の検討が重要です。
この判断は税務・法務・資金の流れに大きく影響するため、設立手続きに入る前に方向性を決めておきましょう。

主な選択肢

日本法人を維持しつつシンガポール法人を設立
両国で事業を分担する体制
既存の取引先や従業員を維持できる
両国での会計・税務管理が必要
日本法人を清算してシンガポールに完全移転
経営の軸足を完全にシンガポールに移す
日本の納税義務から完全に解放される(節税効果が最大)
ただし、日本での信用・契約関係・従業員整理等の問題あり。
日本法人を残しつつ、シンガポール法人の株主を個人名義にする
日本法人とは独立した新事業として運営
節税や資産保全の観点からも検討される選択肢

重要ポイント
どの形がベストかは、事業内容・収益構造・今後の拠点戦略・税務戦略・ご’家族の生活設計などによって変わってきます。

後からの変更が難しい部分も多いため、この設計は専門家のアドバイスを得ながら、慎重に行うことをおすすめします。

4.シンガポール会社設立の具体的な手順

シンガポールでの会社設立は、日本と比べるとずっとシンプルです。

でも、手順をしっかり押さえておかないと思わぬところで時間がかかってしまうこともあります。
ここでは、スムーズに会社設立を進めるための具体的な手順をご紹介します。

会社設立の基本フロー

Step 1|法人設立をサポートしてくれる会社を選ぶ

シンガポールでは、会社設立をサポートするために特別な資格やライセンスは必要ありません。

そのため、日系の会計事務所や現地の代行業者、日本語対応のコンサルティング会社など、さまざまな事業者が設立サポートを提供しています。

選択肢が多いからこそ、ご自身に合ったサポート会社を選ぶことはとても大切です。

サービス内容や対応言語、費用、設立後のサポート体制などを比べ、最適なパートナーを見つけましょう。

Step 2|会社名を決め、予約する

依頼するサポート会社が決まったら、次は会社名を決める作業です。
会社名の決定は、シンガポールでの法人設立の第一歩となります。

シンガポールでは、会社名は英語(ローマ字)で登録されます。ACRA*(会計企業規制庁)に申請・予約することで、60日間その名前を保持することができます。

この間に、会社設立に必要な各種情報や書類の準備を進めていきましょう。

補足*:ACRA(Accounting and Corporate Regulatory Authority)は、シンガポールにおける法人登記・会計制度・監査人登録などを所管する政府機関です。

シンガポールでの会社名の付け方についてもっと詳しく知りたい方は、
当社ブログ「シンガポールで会社を設立、社名命名のポイント教えます」をご覧下さい。

Step 3|会社の基本情報を決定する

会社名の予約が完了したら、次は、株主構成や資本金、取締役、登記住所など、法人登記に必要な情報を確定していきます。

これらの情報は、後の定款作成やACRAへの申請、さらには銀行口座開設やビザ申請にも関わってくるため、最初の段階でしっかり整理しておくことが重要です。

「2.シンガポール会社設立の基本要件」で解説した以下の項目について、実際の設立手続きに進む前に最終確認を行います。

  株主と取締役の指名
  資本金の金額と株式の割当
  登記住所の確定
  事業内容(ACRA規定のコード選択)
  決算月の設定

情報の不備や抜け漏れは、後の手続きでトラブルになることもあるため、慎重に確認しましょう。

Step 4: 必要書類を整え、登記申請へ進む

Step 3で決定した会社の基本情報をもとに、いよいよ法人登記に必要な書類の準備を進めていきます。

シンガポールでの法人設立は比較的シンプルですが、すべての書類が英語で必要となるため、日本語の書類を提出する場合は英訳+認証(公証)も必要となります。

この、英訳+認証(公証)で時間がかかってしまうこともあるので、余裕を持った準備期間が必要です。

このパートでは、当社が実際に対応している内容をベースに、必要書類と注意点をご紹介します。

提出が必要な情報・書類

会社設立にあたり、以下の書類が必要です。
内容に不備があると、申請が差し戻されることもあるため、できるだけ早めに準備を進めましょう。

● 株主が個人の場合
パスポートのコピー
現住所が確認できる書類(公共料金明細、クレジットカード請求書など)

● 株主が法人の場合
登記簿謄本(全部事項証明書)の英訳+認証済み書類
株主構成を示した文書(日本語原本+英訳+認証)

※日本語で発行された書類は、すべて英訳が必要です。
その際、翻訳者の署名・翻訳証明が含まれた形で提出する必要があり、英訳文は公証人による認証を受けたものが基本となります。

登記に必要な書類の作成と署名

お客様からいただいた情報をもとに、法人登記に必要な以下の書類が作成されます

  定款(Constitution)
  Form 45(取締役就任同意書)
  株主名簿(Shareholders Particulars)
  取締役名簿(Directors Particulars)
  設立申請フォーム(Application for Incorporation)

これらの書類に署名をしていただくことで、正式な登記申請が可能となります。

署名の方法
登記書類への署名は、原則としてシンガポール現地の法人秘書役(カンパニーセクレタリー)の面前で行うことが求められています。
ただし、現地での署名が難しい場合は、日本国内の公証役場で書類に署名し、公証人の認証を受けることで代替可能です。
署名済みの原本は、その後シンガポールへ郵送します。

ACRAへの申請と登記完了

署名・認証済みの書類が揃ったら、シンガポールの政府機関であるACRA(シンガポール会計企業規制庁)へ会社設立の申請が行われます。

登録はオンラインシステム「BizFile+」を通じて行われます。
申請が完了すれば、原則として1営業日以内に登記が完了します。

これで、会社の登記は完了となります。
ただし、法人が設立されたからといって、すぐに事業を開始できるとは限りません。

実際には、銀行口座の開設や必要に応じた就労許可(ビザ)の取得など、事業を始めるための準備がこの後に続きます。

次の章では、設立後に必要となる主な手続きについて、順を追ってご紹介します。

5.設立後の必要手続き

法人設立が完了したら、以下の手続きを状況に応じて進めていきましょう。

Step 5: 法人銀行口座を開設する

会社登記が完了した後は、いよいよ事業開始に向けて法人口座の開設に取り組みます。

シンガポールには地場銀行(DBS・OCBC・UOBなど)や国際銀行(HSBC・Standard Charteredなど)など多くの選択肢がありますが、審査がかなり厳しくなっているのが現状です。
そのため、しっかりとした準備をして臨むことが大切です。

開設時の注意点
シンガポールで新しく法人銀行口座を開設する際、外国人取締役が実質的支配者と見なされる法人の審査は年々厳しくなっています。
現在のシンガポールにおける口座開設の状況は以下の通りです。

  • 国際銀行は“新規顧客”の受付を行っていないケースがほとんどです。
    紹介ルートがないと申込自体ができないこともあります。
  • 地場銀行であっても、取締役が外国人(特にノミニー取締役)の場合、過去6ヶ月分の事業実績の提出を求められることがあります。
  • ほとんどの銀行で、代表者または実質的支配者による現地面談が必須となっています。

口座開設には数週間から数ヶ月かかることも珍しくないため、早めの準備と計画が重要です。

銀行選びのポイント
どの銀行を選ぶかによって、口座開設のしやすさ・対応スピード・必要書類の厳しさに差があります。
事業内容や優先したいポイントを整理して、自社に最適な銀行を選ぶことが、スムーズな事業スタートへの第一歩になります。

Step 6: エンプロイメントパス(就労ビザ)を申請する【必要な場合】

就労ビザが必要な方は、エンプロイメントパス(EP)の取得手続きを進めましょう。申請はすべてオンライン上で行われます。

申請に必要な主な書類
以下の書類を事前に準備しておきましょう。

  • パスポートのコピー
  • 英文の最終学歴卒業証明書
    ※第三者機関による学歴証明の検証書類(Verification Proof)
  • 月額給与額と役職に関する情報
  • シンガポール法人の登記情報(BizFile+から取得)

※日本の大学卒業証明書の場合、MOM指定の検証機関による認証が必要になります。

申請から取得までの流れ

Step 1: 申請のための準備

arrow-green-short(MOMポータル登録、CPFアカウント作成等)

Step 2: オンライン申請

arrow-green-short(審査期間 通常10日〜)

Step 3: IPAレター発行

arrow-green-short(仮承認レターを受領)

Step 4: シンガポール入国

arrow-green-short (IPAがあれば観光ビザで入国可能)

Step 5:
ビザの料金を支払い、MOM予約を行う

arrow-green-short (指紋・顔写真登録の日時をオンライン予約)

Step 6: 指紋・顔写真の登録

arrow-green-short (指定日時にMOMオフィスで手続き)

Step 7: EPカード受領

(登録から約5営業日)

 

ポイント
EPの申請から取得までには時間がかかる事もあるため、会社設立と並行して必要書類の準備を進めるのがおすすめです。

ご家族がいる場合は
配偶者やお子様と一緒にシンガポールで生活される場合、EPのIPAレターが発行された後に、ご家族のビザ(Dependant’s Pass)の申請ができます。
ご家族のビザ申請に関する書類も予め準備しておきましょう。

6.会社設立後の義務と手続き

会社設立が完了したら、今度は継続的な運営に必要な手続きについて確認していきましょう。

ここでは、当社のお客様の中で最も多い「個人での移住やお子様の教育を目的として法人を設立される方」に向けて、Exempted Private Company(免除対象の小規模法人)として必要な手続きや義務を中心にご紹介します。

6-1. 年次申告義務

シンガポール法人では、毎年以下の申告が必要になります。

Annual Return(年次報告書)
会計年度終了後30日以内にACRA(会計企業規制庁)へ提出

ECI(予定納税申告書)
会計年度終了後3ヶ月以内にIRAS(内国歳入庁)へ提出

法人税申告書(Form C-SまたはC)
通常、11月30日までにIRASへ提出(電子申請)

これらの提出を忘れてしまうと、罰金やペナルティが科されるだけでなく、取締役個人にも責任が及ぶことがあるので注意が必要です。

6-2. 会計・監査義務

会社は、シンガポールの財務報告基準(SFRS)に準従って、会計記録を適切きちんと維持する必要があります。
ただし、以下の3つの条件のうち2つ以上を満たす場合、法定監査が免除されます。

  • 年間売上高が S$10百万以下
  • 総資産が S$10百万以下
  • 従業員数が 50名以下

個人での移住や小規模経営を目的とした法人(Exempted Company)の多くはこの基準に該当するため、会計記録の作成と税務申告書の提出のみで済みます。

6-3. GST(物品・サービス税)登録

シンガポールでは、年間売上高がS$1百万を超える場合、GST(日本の消費税に相当)の登録が必要になります。
2025年時点の税率は8%です

売上がこの基準を満たさない場合でも、任意でGST登録を行うことも可能ですが、
登録後は四半期ごとのGST申告が必要になります。
メリット・デメリットをしっかり検討してから決めるのがおすすめです。

7.シンガポール会社設立FAQ

ここでは、シンガポール会社設立に関して、日本人経営者の方々からよくいただく質問をまとめました。
設立を検討される際の参考になれば幸いです。

シンガポール会社設立にかかる期間はどのくらいですか?
会社登記そのものは1営業日で完了します。

ただし、準備段階にかかる時間は、状況や書類の揃い具合により個人差があります。
また、銀行口座開設や就労許可の申請が必要な場合は、それぞれ数週間から数ヶ月の追加期間が必要になります。


日本にいながらでも会社設立はできますか?
はい。可能です。
シンガポールの法人登記は基本的にオンラインで完結します。
署名が必要な書類も、日本国内の公証役場で認証を受けることで、現地へ渡航せずに手続きを進めることができます。

ノミニー取締役は必ず必要ですか?
はい。会社設立の際には必ず必要になります。

外国人取締役の方が就労許可取得後は、シンガポール居住者となるため、ノミニー取り締まり役は外すことも可能です。


会社設立後、いつまでに銀行口座を開設する必要がありますか?
特に期限の決まりはありません。

ただし、取引開始や資金管理のためには口座が必要となるため、登記完了後できるだけ早めの開設をおすすめしています。


会社設立と同時にGST登録もした方が良いですか?
いいえ、原則としては不要です。

年間売上がS$1百万を超える見込みがある場合を除き、登録義務はありません。
ただし、大きな仕入れや初期投資が見込まれる場合には、GST還付を目的として任意登録を検討する価値があります。


 

8. まとめ|シンガポールでの新しい挑戦を始めるために

ここまで、シンガポールでの会社設立について、必要なステップや注意点を詳しくご紹介してきました。

「税制優遇を活かした資産運用をしたい」
「お子様により良い教育環境を提供したい」
「アジアを舞台にビジネスを展開したい」
──シンガポール移住を考える理由は、人それぞれ異なります。

たしかに、銀行口座開設の審査が厳しくなっていたり、就労ビザの要件が年々アップデートされたりと、以前より準備が必要な場面は増えています。

だからこそ信頼できるパートナーと一緒に、しっかりとした計画を立てることが何より大切です。

大切なのは、「なぜシンガポールなのか」を明確にすること

移住の目的や事業の方向性がはっきりしていれば、会社の形態や資本金、ビザの種類なども自然と見えてきます。

逆に、「とりあえず会社だけ作っておく」という動き方では、後々思わぬ壁にぶつかることもあります。

一歩ずつ、着実に進めていけば大丈夫です

シンガポールでの会社設立は、日本と比べるとずっとシンプルです。

必要な書類や手続きも、この記事でご紹介した流れに沿って進めていけば、きっとスムーズに進められるはずです。

ご家族の新しい人生のスタートを応援しています

シンガポールは、ビジネス面でも生活面でも、日本人にとって住みやすい環境が整っています。
お子様にとっても、国際的な環境での学びは、きっと貴重な財産になることでしょう。

もしこの記事を読んで「シンガポールでの会社設立にチャレンジしてみたい」と思われたなら、ぜひ一度、経験豊富な専門家にご相談ください。

一人で悩むより、経験豊富なパートナーと一緒に計画を立てることで、安心して確実な一歩が踏み出せるはずです。

皆さまのシンガポールでの新しい挑戦が、実りある未来につながることを心より願っております。

*本記事の情報は2025年6月時点のものです。法令や手続きは変更される可能性がありますので、最新情報については当社までお問い合わせください。

 

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シンガポールでの法人設立・節税移住サポートのYHF PTE.LTD.では、2004年から当地で会社設立のお手伝いをさせて頂いた経験をもとに、設立準備から登記後に必要な手続きまでをお客様に並走し、完全サポートいたします。

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