前回は、 日本人が通園・通学できるシンガポールの学校や幼稚園のご紹介をさせて頂きました。
今回は日系、ローカル。そしてインターの幼稚園に焦点を当ててご紹介致します。
日本人のお子さんが通う幼稚園
シンガポールには、幼稚園と一口に言っても、 日本と異なり「日系」 「ローカル」 そして 「インター校の幼稚園部」 と様々なタイプの幼稚園があります。
日本からシンガポールに移り住んだ方々にとっては、 お子さんの通う幼稚園を選ぶ時、何を基準にして選んだら良いのか色々戸惑うことが多いかもしれません。
今回の情報が、そんな皆さんの幼稚園選びの参考になるとうれしいです。
日系幼稚園の種類とその特徴
日系の幼稚園の年度始めは、日本と同じ4月。
基本的には、日本の教育機関と同じシステムなので、 数年シンガポールに滞在後、日本に戻る予定のご家庭やお子さんにとって一番なじみやすい幼稚園です。
日系の幼稚園は、 大きく2つのタイプに分けることが出来ます。
1つは、日本と同様のカリキュラムで 日本の幼稚園とほぼ同様なスタイルで運営している日系の幼稚園。
もう一つは、園児の殆どは日本人ですが、 英語教育多く取り入れている幼稚園です。
どの園でも面談や見学を受け付けていますので、 ご家庭の状況や、お子様の特性などを考慮に入れて、 最適な幼稚園を選んで下さい。
日本人幼稚園
1989年4月、シンガポール政府教育省の認可を受け 設立された、シンガポールで一番古い歴史を持つ、 日系の幼稚園です。
日本の幼稚園システムを基盤とし、 日本の幼稚園教諭の免許を持つ先生が、園児を指導。
シンガポールにいながら、日本と同じ教育・保育を受ける事ができます。
【良い点】
- 日本語とほぼ同じ環境なので、こどもが馴染みやすい
- 英語が話せなくても、問題がない
- 給食(日本食)がある
- 園庭、施設が広い
【ちょっと気になる点】
- 一クラスの規模が大きい
- せっかくシンガポールにいるのに、日本の教育ではもったいない
- 英語の授業はあるものの、日本のそれとあまり変わらず、物足り無い感じがする
【お勧めはこんな方】
- とにかく、日本と同じ環境の幼稚園にお子さんを通わせたい。
- 外国にいても、日本の教育制度の基でお子さんを育てたい。
住所 | 251 West Coast Road Singapore 127390 |
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電話番号 | 6779-3434 |
スクールバスあり
Eis international Pre-school
バイリンガル教育に力を入れている、日系の幼稚園です。
最少年は満2歳児から、 また、週2回からの保育を受け付けているなど、 多岐に渡った対応をしています。
【良い点】
- 一クラスが少人数
- 日本語と英語の授業がある、バイリンガル校
- 2週間の体験入園がある
- 給食(日本食他)がある
【ちょっと気になる点】
- 日本人幼稚園よりは、授業料が高い
- 園児の殆どが日本人
- 英語を本格的に学ばせたい方には、少し物足りないかも…
【お勧めはこんな方】
- シンガポールにいる間だけは、お子さんに少しだけ英語の環境にも触れてもらいたい。
- でも、バリバリのローカル幼稚園やインター校の環境に、お子さんを入れるのは不安がある。
住所 | ・イースト校: 7 Seraya Lane (S)437275 ・ウェスト校:1A International Business Park #01-01/02/03 (S) 609933 |
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電話番号 | ・イースト校:6348-4780 ・ウエスト校:6777-2911 |
WEBサイト | https://www.eisintl.com/ |
スクールバスあり
このはな幼稚園
1998 年に開園。 イマージョン・プログラム*を取り入れているのが特徴です。
Eis international Pre-schoolとよく比較されることが多いようですが、 一言で、この2つの園の違いを表現すると、
規則にとらわれず、伸び伸びとした指導: Eis international Pre-school
しっかりとした規律のもとに指導を行う: このはな幼稚園 という感じかもしれません。
入園を決める際は、それぞれの幼稚園の違いや特色をご自身の目でしっかりと確認してください。
住所 | 16 Ramsgate Road Singapore 437462 |
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電話番号 | 6342-0100 |
WEBサイト | http://www.konohana.edu.sg/ |
スクールバスあり
*イマージョンプログラムについて
イマージョン・プログラムとは、 未修得の言語を身につける学習方法の一つ。 没入法と言われることもある。 目標とする言語の言葉だけを習うのではなく、 「その言語環境で」他教科を学び その言葉に浸りきった状態(イマージョン)での言語獲得を目指す。
ウィキペディアより
上記以外にも、日本人が経営する日系幼稚園には2014年に開園した いろは幼稚園などがあります。
日本人にも人気のローカル幼稚園とその特徴
次にご紹介するのは、 主にシンガポール人の子どもたちが通うローカルの幼稚園です。
これらの幼稚園の特色は、 日系の幼稚園に比べて学習量が多い事です。
特に語学に関しては、英語はもちろんの事、 中国語の授業がある園もあります。
入園当時は英語も中国語も全く話せなかったお子さんでも、2年も通園すると、
どちらの言葉も一般の授業に困らないだけのレベルになっています。
このくらいの年齢だと苦手意識を感じること無く、 外国語の学習ができる年齢なので、
バイリンガルやトリリンガルを目指しているお子さんには 、ローカルの幼稚園も良いかもしれません。
シンガポールの殆どの幼稚園は、 幼稚園の間に英語の読み書きをきちんと習得します。
簡単な計算や読解問題なども、 回答出来るようになります。
ローカル幼稚園の中でも、 シンガポールの子どもたちが主に通う幼稚園と、
駐在員の子弟などの外国人の子どもたちがメインに通う幼稚園に別れます。
前者は特に勉強に力を入れているようです。
授業料は、一般的に後者の方が高めとなります。
【良い点】
- 各園によって、特徴が異なるので、選択肢が多い
- 英語や算数をしっかりと学ぶことが出来る
- 授業時間が、比較的長い園が多い
【ちょっと気になる点】
- 子供によっては、言葉の問題等でなかなか馴染めない子もいる
- 勉強量が多いので、子供によっては最初は戸惑うかもしれない
- ローカルばかりの幼稚園では、英語の勉強はできるが、発音はシンガポール式になる恐れあり
【お勧めはこんな方】
- せっかくシンガポールにいるのだから、ローカルと同じ環境でお子さんを育てたい。
- 小さなうちからしっかりと、勉強をしてほしい。
- 小学校は、シンガポールの公立校やインター校に進んでほしい。
ローカルの幼稚園の種類
日本と比べ、比較的小規模の幼稚園が多いシンガポールでは あちこちで幼稚園を目にします。
チャイルドケアセンターと呼ばれる、 日本の保育園と同じように働く親御さんの為にある施設と、
プリスクールと呼ばれる、日本の幼稚園のようなシステムの園に分けられます。
さらに、プリスクールの中にも公立、私立と種類は様々です。
政府系の幼稚園
シンガポールの教育省の定めるカリキュラムに沿った授業を行う、公立の幼稚園です。
MOE(シンガポールの教育省)のホームページから幼稚園を検索することが出来ます。
私立の幼稚園
モンテッソーリやレッジョ・エミリアの教育方針の沿った幼稚園など、 種類は本当に様々です。
インターネットで、Singapore Preschoolと検索すると沢山の幼稚園がでてきます。
短期入学等も受け付けている園が多いので、 お子様が馴染めるか、テストしても良いかもしれません。
主なシンガポールの私立幼稚園
ブリティッシュカウンシル・プリスクール
英語教育では、定評のあるブリティッシュカウンシルが運営する、 プリスクールです。
英語だけでなく、中国語も学べます。
インター校に併設している幼稚園
多くのインターナショナルスクールが、幼稚園を併設しています。
一般の幼稚園と比べると、 施設が充実しているという利点がありますが、 規模が大きいので、好みには個人差があります。
もし、長期に渡ってシンガポールにご滞在予定で、 将来はインター校への進学をご希望であれば、 初めからインターナショナルスクールに併設している 幼稚園に通ってしまうのも良いかもしれません。
【良い点】
- 希望のインター校への入学がしやすくなる
- 色々な国籍の子どもたちと一緒に、学ぶことが出来る
- 先生が国際的
- カリキュラムが豊富
【ちょっと気になる点】
- アットホームな園を望む人には不向き
- 日本のカリキュラムとは、だいぶ異なる
- 授業料は高め
【お勧めはこんな方】
- 小さな頃から、グローバルな環境でお子様に育ってほしいと思っている。
- 施設の充実した環境を望んでいる。
- 将来的通学するのは、インターと決めている
Early Learning Village at Lorong Chuan
2017年の8月にオープンした、 スタンフォードアメリカン・インターナショナルスクールとオーストラリアン・インターナショナルスクールが共同で運営している、幼稚園です。
学年は18ヶ月から6歳児まで。
収容可能な園児数は、なんと1,200人! 100クラスを予定しているそうです。
現存する幼稚園では、世界最大規模とシンガポールのサイトで説明していました。
これは、ちょっと好みが分かれそうな幼稚園ですね。
インターナショナル・スクールについては、こちらをご覧ください!
シンガポールのインターナショナル・スクール
最後に
ローカルの幼稚園やインターの幼稚園に通えば 小さなお子は、本当にものすごいスピードで 英語や他の言語を習得してしまいます。
でも、そんなふうに習得した外国語でも、 日本に帰国し外国語を使う環境が無くなれば、 習得した時のスピード以上の速さで、忘れ去られてしまいます。
特に小さなお子様の場合、 習得も早い代わりに、忘れるスピードも、ものすごく早いです。
なので、シンガポールに2,3年いるだけで、 その後英語の学習を引き続き続けないのであれば、
語学習得目的のローカルやインターの幼稚園ヘの入園が、 お子様の為になるかどうかは、
しっかりと、考えたほうが良いかもしれません。
また、2,3歳の母語の発達が著しい時期に、母語の学習を疎かにして 外国語の学習ばかりしていると、
母語の発達が遅れたりする心配もあるので、 この点にも注意が必要です。
但し、異文化に触れ、 日本と全く違った環境で、外国の子供達と一緒に学ぶと言う経験は 貴重なものです。
外国語は忘れてしまっても、異文化での体験は きっと頭の何処かに残っているでしょう。
お子様の特性やご家族の教育方針から、 最適な園を探して下さい。
番外編
ローカルの幼稚園を探している時に、 シンガポールのヤフーファイナンスで、 少し気になる記事を見つけました。
タイトルは The 20 Most Expensive Preschools In Singapore (授業料が高い、シンガポールの幼稚園トップ20)
記事は2016年のものですが、 1位(一番授業料の高い幼稚園)は、 Eton House Sentosa (イートンハウス・セントーサー) そこに書いてあった授業料は1年間でなんと42000シンガポールドル! (日本円で420万円ぐらい) 保証金も込みとのことですが、 下手なインター校より高額です。
セントーサー島と言えば、 孫泰蔵さんご一家もお住いのご様子。 ヨットが係留できる、 数十億円の戸建てが立ち並んでいるエリアです。 やはり、幼稚園もお高いんですね。
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