このページは、シンガポールのインター校へ入学予定で、 将来はアメリカの大学への進学を検討中の方。
あるいは、シンガポールのインターナショナルスクールについて、詳しく知りたいと言う方に読んで頂きたい内容です。
当社に下記のような質問が寄せられる事があります。
「シンガポールでインター校を選ぶ際、 IB校よりもアメリカのカリキュラムで指導している学校の方が、 アメリカの大学へ入るは有利なのでしょうか?」
今回は、そんな疑問にお答えいたします!
シンガポールのインター校のカリキュラム
まずは簡単に、シンガポールのインター校で採用しているカリキュラムについてご説明します。
シンガポールには、幼稚園から高校までの一貫校である、インターナショナル・スクールが20以上あります。
その多くが、 インターナショナル・バカロレア(IB)のプログラムを取り入れています。
また、シンガポールは、もともと英国の植民地だったこともあるので、 イギリス系の学校も多いのが特徴です。
これらのイギリス系の学校ではIBプログラムと並行し、*IGCSEを取り入れていたり、 高学年になるとIGCSEからIBディプロマに変更する学校もあります。
*IGCSEとは、インターナショナル・スクールの生徒を対象とした、 英国の義務教育終了資格試験。 International General Certificate of Secondary Educationのことを指します。
インターナショナル・バカロレア(IB)とは
日本でも10年ほど前に安倍元首相が 「国際バカロレア資格を取得可能な高等学校等を平成30年頃までに、日本に200校程度に増加させる」 と発表し、知名度が以前より高くなった、インターナショナル・バカロレアです。
インターナショナル・バカロレアとは、 1968年に発足したインターナショナル・バカロレア機構が、 インターナショナル・スクールの卒業生に 国際的に認められる大学入学資格を与えることを目的として作ったプログラムです。
IBの中で、大学入学資格のために必要なのは、 IB DPと言われる16~19歳向けのディプロマ資格プログラムです。
ディプロマ資格取得の統一試験に合格すると、 IB資格を取得することができます。
この合格率が、シンガポールはインター校、 ローカル校とも世界標準と比べてとても高いのが特徴です
インターナショナル・バカロレアについては、日本語版WIKIにも詳しく説明があります。
日本の大学でも、IB入試を導入する学校が増えているようですね。
そんな事からも、シンガポールに駐在されるご家庭のお子様の中に、 日本人学校ではなく、インター校を希望される方々も多くなっているのかもしれません。
シンガポールでアメリカのカリキュラムを使用している学校
シンガポールで現在、アメリカのカリキュラムで学生を指導しているインター校は、下記の学校です。
・シンガポールアメリカン・スクール
・スタンフォード・アメリカン
・インターナショナル・コミュニティスクール
・XCLアメリカンアカデミー
各学校の簡単な紹介
シンガポールアメリカン・スクール
アメリカ人の駐在員の子弟のために1956年にシンガポールに創設された学校です。
現在もアメリカ人の駐在員のお子さんは優先的に入学できますが、それ以外の国籍の子どもたちにも門戸は開かれています。
ただし、小学生以上になると、かなりの英語力が必要となります。
スタンフォード・アメリカン
世界中で教育機関を運営するCognitaが、 2009年に創設した新しい学校です。
「IBディプロマプログラム」、 「AP(Advanced Placement)の高等卒業資格」の両方、 あるいは一方を取得することが可能です。
こちらの学校は、英語ができない外国人の為のクラスもあります。
インターナショナル・コミュニティースクール
シンガポール西部にある、生徒数約450名のシンガポールでは中規模な学校です。
設立は1993年。
クリスチャン系の学校で、アメリカのカリキュラムの授業を提供しています。
XCLアメリカンアカデミー
XCLワールドアカデミーの敷地内に2022年8月に開設された新しい学校です。
ナーサリーからG8(2才から14才)までの学生を受け入れています。
アメリカの大学に入学するには、 アメリカのカリキュラムを勉強していたほうが有利なのでしょうか。
さて、本題です。
そもそもアメリカやイギリスの有名大学では、 日本の大学と異なり世界中の留学生が学んでいます。
毎年発表される、THEの資料によりますと、 2018年、世界1の大学に選ばれた、オックスフォードの留学生の比率は38%。 アメリカのスタンフォードは22%。 MITは34%と、 4人に一人、あるいは3人に一人が外国人留学生という環境です。
世界各国から集まった学生たちが、 母国で、ABやIGCSEのプログラムで学習していたとは考えにくいです。
ちなみに、アメリカの大学に入学しようとする場合必要な書類は 高校の成績証明書、小論文、学校からの推薦状、 SAT(Scholastic Assessment Test) あるいは、 ACT (The American College Testing Program)のスコアか TOEFLのスコア(英語を第一言語としていない国の学生の場合)になります。
どんなカリキュラムで学習しようが、 きちんと条件さえ満たしていれば、 アメリカの大学には入学することが出来ます。
それなら、なぜシンガポールで勉強する学生たちが 必死にIBDPで良い成績を取ろうとするのでしょうか?
それは、アメリカ、イギリス、カナダなどの多くの大学で、 IBDPの成績が上位の場合、その学科の受講免除となり、 単位は無条件で与えられることがあるからです。
シンガポールのインター校の卒業生はどの国大学へ進学するの?
最後に、インター校の卒業生の数(比率)を アメリカとイギリスの大学に絞って、調べてみました。
各学校のホームページを参考にしたので、 比率で表している学校と大学数で発表している学校とバラバラですが、 なかなか、おもしろい結果となりました。
UWCSEA
シンガポールの中では、シンガポールアメリカンスクールと双璧をなす有名校です。 2017年度のIBDPの合格率は98.4% アメリカの大学への進学率が37%。イギリスの大学は28%でした。
100%の合格率を叩き出すことがある、UWCEAですが、 2017年度は不本意な結果だったのかもしれません。
英国の大学への進学率が高いと予想していたのですが、 意外にアメリカへの進学率の方が高かったです。
Canadian International School
世界各国からの生徒が集まる大規模なインター校。
小学校からIBプログラムを取り入れています。 2017年度のIBDPの合格率は98.5% 2017年度の進学先:アメリカの大学89校 イギリスの大学74校
こちらも、わずかながらアメリカの大学への進学率が高いようです。 IBDPの合格率が、UWCSEAを上回っていますね。
「勉強ができ無くても得意なことを一つ持っていればそれを伸ばしなさい!」 という教育方針だと先生からお話を聞いたことがあったので、 少し意外でした。
ISS
こちらは2017年度ではなく、今まで進学実績がある学校の数です アメリカの大学147校 イギリスの大学89 校
2017年度のIBDPの合格率は、なんと100.00%! 失礼ながら、どちらかというと、 英語ができない子どもたちがよく行く学校 というイメージがあったのですが、意外な結果でした。
どの学校も、IBプログラムを全面に打ち出している学校なので、 イギリス系の大学への進学率が高いのかと予想したのですが、 意外にアメリカの大学へ進学する生徒が多かったです。
もちろん、両国だけではなく、 ヨーロッパ各国。そして多分、母国の大学にも進学する生徒は多数います。
まとめ
こうやって、カリキュラムの特徴や入学資格。 そして、シンガポールのインター校の学生達の進学先を調べて行くと、 アメリカの大学進学希望だからと言って、 特にアメリカのプログラムの学校を選ぶ必要はなさそうです。
アメリカのプログラムで勉強する必要があるのは、 母国に戻って高校へ進学するなどの事情がある、 アメリカ人のお子さんなどが多いのではないでしょうか?
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